綿野 吉二商店製
赤絵金彩花鳥農耕図大壺 一対右
年代 明治20年代頃
サイズ 口径 30.0/胴径43.0/高71.0cm
KAM 能美市九谷焼美術館|五彩館|所蔵
胴部の主題は農耕図と花鳥図が表裏となっている赤絵金彩の大壷一対の右です。底部の銘文から、綿野吉二商店が製造した品であることがわかります。
いわゆる貿易九谷の「ジャパンクタニ」です。製造商店名とともに高台内に絵付師(画工)の銘が「西村白樹 描之」とあり、製造の商店名と画工の名が両方入っている「Wネーム」で一対あり、輸出品として最上級品に位置付けられます。木製の台座がついています。中には軽い金属製のオトシ(生花用の水入れ)が入っており、実際に花を活けて楽しんだものでしょう。画工の「西村白樹」については特定できてはいませんが、寺井町在住の綿野吉二商店お抱えの赤絵画工かと思われます。ただ、九谷庄三の弟子筋で金沢から移住してきた西村 某としかわからない高弟がいたとのことなので、その可能性は高いでしょう。本作は香港のオークションから里帰りしたもので、もとはおそらく英国ロンドンあたりにあったものではないでしょうか。令和元年(2019)にKAM能美市九谷焼美術館が購入したものです。