吉田屋窯 1824(文政7)~1831(天保2)年
「吉田屋窯」は、江戸後期の文政7年(1824)に、大聖寺城下の豪商吉田屋伝右衛門によって古九谷窯跡の隣地に開窯した、真の意味での古九谷再興窯でした。屋号から「吉田屋窯」と呼んでいます。同9年(1826)には利便性などを考慮し窯を山代温泉郊外に移し、多くの名品を生み出しましたが、度重なる吉田屋家人の不幸や借銀荷重などにより天保2年(1831)に閉窯しました。作品は「吉田屋」「吉田屋九谷」と呼称され、古九谷に継ぐ高い評価を得ております。古九谷の青手に倣って、緑・黄色を主体に用い紫・紺青をサブに添える形式をとっています。釉薬はどれも美しくよく溶けており、とても透明感があって、魅力的です。KAM 能美市九谷焼美術館 陶工・陶商・作家一覧