二代 德田 八十吉
1907（明治40）～1997（平成9）年
1907（明治40）年生 大正13年に商工省工芸展に入選し、それを機に業界に入る。
大正14年・15年と2年連続石川県工芸奨励会に入選して、会員に推薦される。
昭和2年に正木直彦・浅野廉・安達陶仙・玉井敬泉・富本憲吉・高村豊間に師事し陶業に精進する。
昭和17年に石川県の認定作家に指定される。
昭和22年今上陛下が石川県に行幸の折御前揮毫をする。
昭和26に日展特選を受賞する。
昭和29年に日展北汁賞を受賞する
昭和31年に父が死亡したので、これまでの画号魁星を二代八十吉に変更する。
昭和33年 ブリュッセル万国博覧会にグランプリ賞を受ける。
昭和35年 宮内庁の御用命で納品し、天皇陛下の御料品証明書と御紋付木杯が下賜される。
昭和38年この年より中部日本九県朝日陶芸展評議員となり招待出品する。
昭和40年 第8回新日展審査員に就任する。
昭和41年 日展会員となり、以後毎年同展に出品。
新金襴手や涌象の技法を創り出す。
新金襴手とは、まず文様部を赤濃みし、その上に特殊な成分を調整したもので線描きして金箔を全体に焼き付け、めのうの棒で磨くと線描きの部分の金箔が落ちて赤に焼き付かず、赤の線となってあらわれるものである。この新しい技法による金襴手の線はおっとりとした暖かみのある線となって深い味わいをかもし出している。
涌象とは異なった二種の色粘士を積み重ね、ロクロにより成形、いわゆる練込みの手法を用いたものである。そしてまだ'胎が生乾きのうちに、表面を縦方向に削って面取りをして素焼きし、次に高火度で焼き締めを行う。練込みの結果波状にあらわれた模様の白の部分には、緑の絵具で上絵付を施し、赤褐色の部分に、箔屑で造った金砂子を特殊な手法で粗く蒔つける。そして低火度で焼成し、金砂子部分をめのう棒で磨きあげる。
