本作は斎田道開晩年の作と伝わる鉢で、能美市指定文化財の一つです。
器の外側と内側の周縁立ち上がり部分(扇や巻物など様々な形の枠内)には文人が、見込部分には竜が描かれています。描かれている文人たちは、服装の柄や身体の輪郭線等の細かな表現はもちろんのこと、穏やかな表情で文学やお茶を嗜んでいる様子がみられます。竜は古来より中国や日本で、良いことが起こる前兆に姿を現す瑞獣と信じられ、絵画や工芸品のおめでたい吉祥文様の一つとして描かれてきました。鱗・爪・鬣部分等繊細に描かれた竜の図柄に思い切った割取文様は、赤絵全体の美しい調和を保っており、赤絵の本領を発揮した作品となっています。