本作は佐野九谷陶祖神社が所蔵する作品で、能美市指定文化財の一つです。
鉢の中央見込の窓枠に、五人の羅漢が描かれています。羅漢は釈迦のもとで悟りを開いた聖者たちです。赤絵細描で羅漢の表情・衣紋・身体の輪郭線等を描き、布は赤濃みで賦彩しています。とても小さな枠内に、ここまで羅漢それぞれを個性豊かに表現し得る斎田道開の画力に驚嘆します。緑を多用し笹・松の木・岩・岩窟等を破綻無く描いています。黄色も良く熔け透明感があります。その上二度焼きで金彩を加え、宮本屋窯の赤絵に劣らぬ出来映えとなっています。修業先の京焼の名工水越与三兵衛の影響をうかがわせる作品です。
仏や羅漢等の尊像を描いた皿鉢は、当初より寺社に奉納する目的で制作したものだろうと考えられます。また周縁立ち上がり部の三方の窓枠には、三霊獣である龍・鳳凰・唐獅子を軽快な運筆の赤絵細描で見事に描いています。