釉裏金箔彩による加飾技術について
釉裏金箔彩による加飾技術について
釉裏金箔彩は、素地に金箔や金泥等の金彩を用いて文様を描き、その上に釉薬を掛けて焼き上げる制作技法です。金箔の扱い方、焼成方法等の陶芸技法の中でもきわめて難しいものの一つとされています。陶磁器に金彩を焼き付ける技法は、中国の明時代の景徳鎮で上絵に金彩を施した金襴手(きんらんで)の技法が大きく発展したとされています。この技法はわが国にももたらされ、江戸時代以降、有田や九谷の地で独自に発達し、加賀大聖寺藩に招かれ山代で製陶の指導を行った永楽和全、能美九谷でも九谷庄三等の作品に見られます。釉裏金箔彩の技法は、こうした金彩の技法の伝統・展開の中で、昭和30年代後半に金沢の陶芸家・竹田有恒(たけだありつね)によって生み出されました。今日の釉裏金箔彩は、人間国宝・𠮷田美統(よしたみのり)氏によって伝統的な金彩技法と釉技(ゆうぎ)を基礎に独自の創意工夫が加えられ、高度な芸術的表現を可能にする陶芸技法として高く評価されています。
釉裏金箔彩は、素地に金箔や金泥等の金彩を用いて文様を描き、その上に釉薬を掛けて焼き上げる制作技法です。金箔の扱い方、焼成方法等の陶芸技法の中でもきわめて難しいものの一つとされています。陶磁器に金彩を焼き付ける技法は、中国の明時代の景徳鎮で上絵に金彩を施した金襴手(きんらんで)の技法が大きく発展したとされています。この技法はわが国にももたらされ、江戸時代以降、有田や九谷の地で独自に発達し、加賀大聖寺藩に招かれ山代で製陶の指導を行った永楽和全、能美九谷でも九谷庄三等の作品に見られます。釉裏金箔彩の技法は、こうした金彩の技法の伝統・展開の中で、昭和30年代後半に金沢の陶芸家・竹田有恒(たけだありつね)によって生み出されました。今日の釉裏金箔彩は、人間国宝・𠮷田美統(よしたみのり)氏によって伝統的な金彩技法と釉技(ゆうぎ)を基礎に独自の創意工夫が加えられ、高度な芸術的表現を可能にする陶芸技法として高く評価されています。
山田登陽志(やまだとよし)さん
山田登陽志(やまだとよし)さん
まず「墨当て」をやって、その上に金箔を貼って、焼成を上絵まで上手くいけば4回やって完成させる作業です。金泥とは違い一枚一枚箔を貼る作業です。作業を行うときは一人です。全てを閉め切り、エアコンなどの空気の対流が起こるようなものは全て遮断します。自分の呼吸も知らずと浅くなる作業です。
まず「墨当て」をやって、その上に金箔を貼って、焼成を上絵まで上手くいけば4回やって完成させる作業です。金泥とは違い一枚一枚箔を貼る作業です。作業を行うときは一人です。全てを閉め切り、エアコンなどの空気の対流が起こるようなものは全て遮断します。自分の呼吸も知らずと浅くなる作業です。
金箔を切るのにはおもにハサミを使いますが、曲線など複雑なものは大変です。これを1本ずつ貼り付けていく作業なので手間と時間が非常にかかります。貼る作業だけでも1ヶ月から3ヶ月かかります。
金箔を切るのにはおもにハサミを使いますが、曲線など複雑なものは大変です。これを1本ずつ貼り付けていく作業なので手間と時間が非常にかかります。貼る作業だけでも1ヶ月から3ヶ月かかります。
最初は花鳥風月などの色絵をやっていました。釉裏金箔彩を始めたのは約25年くらい前からです。金箔は今でも金沢にすごい職人さんがいて、金箔の厚さを口で言っただけで、その通りの厚みにきちっと打ってくれます。見事なものです。 曲げるときはなるべく細い方がやりやすいです。また長い線は繋いで引きます。使い方によっても金箔の厚みを変えます。例えば花びらなどは厚くし、後ろの葉は、やや薄めを使うことで濃淡をだします。茎などはさらに薄いものを使うことで、全体に濃淡で奥行き感を表現していきます。作品の深みはそういう奥行き感で出していきます。箔の厚みは竹箸でつかんだ時のひらひら感でわかります。
最初は花鳥風月などの色絵をやっていました。釉裏金箔彩を始めたのは約25年くらい前からです。金箔は今でも金沢にすごい職人さんがいて、金箔の厚さを口で言っただけで、その通りの厚みにきちっと打ってくれます。見事なものです。 曲げるときはなるべく細い方がやりやすいです。また長い線は繋いで引きます。使い方によっても金箔の厚みを変えます。例えば花びらなどは厚くし、後ろの葉は、やや薄めを使うことで濃淡をだします。茎などはさらに薄いものを使うことで、全体に濃淡で奥行き感を表現していきます。作品の深みはそういう奥行き感で出していきます。箔の厚みは竹箸でつかんだ時のひらひら感でわかります。
金の風合いも3℃くらいの焼成温度差で微妙に変わってきます。例えば、ほんの少し金に重みを出したい時にちょっとだけくすませたりします。その代わり3℃温度が高くなるだけで 金も流れてしまいます。何度も失敗したことがあります。金は熱伝導がいいからか、大きいものを製作していると金箔に沿って割れることがあります。窯の近くにいると「バシッ」ていう音がするんです。その音を聞いたときはもう本当にガッカリします。そうならないためにも低めの温度で通常の倍の時間をかけて焼くことが多いです。
金の風合いも3℃くらいの焼成温度差で微妙に変わってきます。例えば、ほんの少し金に重みを出したい時にちょっとだけくすませたりします。その代わり3℃温度が高くなるだけで 金も流れてしまいます。何度も失敗したことがあります。金は熱伝導がいいからか、大きいものを製作していると金箔に沿って割れることがあります。窯の近くにいると「バシッ」ていう音がするんです。その音を聞いたときはもう本当にガッカリします。そうならないためにも低めの温度で通常の倍の時間をかけて焼くことが多いです。
金は高騰するし、電気代も上がるし、今は、最悪ですよ。毎日、新聞で金の値段を確認しています。(笑)
金は高騰するし、電気代も上がるし、今は、最悪ですよ。毎日、新聞で金の値段を確認しています。(笑)
プロフィール 山田登陽志(光陽窯)
日展会友
石川県美術文化協会会員
日工会会員
伝統工芸士

森一正先生に指導を受け技法を学ぶ
昭和47年九谷上絵科卒業
第46回石川県現代美術展(以後連続入選)
第29回北陸中日美術展(石川県知事賞受賞)
第1回日工会展入選(以後連続入選)
第24回日展入選(以後連続入選)
3回日工会展入選(日工会賞受賞)
第50回石川県現代美術展(石川県教育委員会会長賞受賞)
第66回石川県現代美術展審査員就任
プロフィール 山田登陽志(光陽窯)
日展会友
石川県美術文化協会会員
日工会会員
伝統工芸士

森一正先生に指導を受け技法を学ぶ
昭和47年九谷上絵科卒業
第46回石川県現代美術展(以後連続入選)
第29回北陸中日美術展(石川県知事賞受賞)
第1回日工会展入選(以後連続入選)
第24回日展入選(以後連続入選)
3回日工会展入選(日工会賞受賞)
第50回石川県現代美術展(石川県教育委員会会長賞受賞)
第66回石川県現代美術展審査員就任