型打ちによる成形技術について
型打ちによる成形技術について
素地を型にかぶせて変形させ、器を作る技法です。まずろくろで皿を作り、生乾きの素地を型にかぶせます。次いで高台を叩き締め、布で覆ったあと上から手で押え軽く叩いて型に密着させます。型は土型(つちがた)といい、今日では石膏型が用いられますが、江戸時代は素焼きの土型でした。型には陰刻の文様が施されることが多く、出来上がりの製品には陽刻文が現われます。ろくろ成形より複雑な形の器ができることが特徴です。高台はろくろで削り出すため円形になるのが一般的です。型打ちによる成形は、中国の技法を模倣して肥前で行い始めたと考えられます。変形の器等を作る技法として江戸時代に多用され、その技法は今日でも伝統的な工房で用いられています。
素地を型にかぶせて変形させ、器を作る技法です。まずろくろで皿を作り、生乾きの素地を型にかぶせます。次いで高台を叩き締め、布で覆ったあと上から手で押え軽く叩いて型に密着させます。型は土型(つちがた)といい、今日では石膏型が用いられますが、江戸時代は素焼きの土型でした。型には陰刻の文様が施されることが多く、出来上がりの製品には陽刻文が現われます。ろくろ成形より複雑な形の器ができることが特徴です。高台はろくろで削り出すため円形になるのが一般的です。型打ちによる成形は、中国の技法を模倣して肥前で行い始めたと考えられます。変形の器等を作る技法として江戸時代に多用され、その技法は今日でも伝統的な工房で用いられています。
宮腰徳二(みやごしとくじ)さん
宮腰徳二(みやごしとくじ)さん
この型打ち技法自体は、京都も有田もあった技法なんですけど、機械化が進んじゃってもうほとんど九谷しか残ってない状態なんです。有田なんかは全部機械化しちゃって職人がいなくなっちゃったんですよね。個人作家でやっている程度ですね。この技法の特徴は、型に流す鋳込み成形と違って手で作っているので、すごく薄く軽く作れるんです。それが一番の特徴ですね。型打ち成形の形は削るところは全然少なく、削って外側は出せないためいかに薄く作れるか。そこが一番難しいんです。型に沿った形をいかに綺麗に作れるかになります。指先の感覚で2ミリまでは、指の感覚で作れます。人の感覚ってすごいですよね。とはいえ、寒いと指先の感覚が鈍くなって思うように動かない時もありますが。
この型打ち技法自体は、京都も有田もあった技法なんですけど、機械化が進んじゃってもうほとんど九谷しか残ってない状態なんです。有田なんかは全部機械化しちゃって職人がいなくなっちゃったんですよね。個人作家でやっている程度ですね。この技法の特徴は、型に流す鋳込み成形と違って手で作っているので、すごく薄く軽く作れるんです。それが一番の特徴ですね。型打ち成形の形は削るところは全然少なく、削って外側は出せないためいかに薄く作れるか。そこが一番難しいんです。型に沿った形をいかに綺麗に作れるかになります。指先の感覚で2ミリまでは、指の感覚で作れます。人の感覚ってすごいですよね。とはいえ、寒いと指先の感覚が鈍くなって思うように動かない時もありますが。
お客様からフランス料理で使うような平らなものを作れないかと相談もあるのですが、薄くて平らなものは九谷の粘土では耐火度が低いので焼成の時にベタっとたれるのです。なのでそのギリギリのところを攻めるわけなんですけど、すごく平らにしようと思うと、ある程度厚く作っておかないとその形が維持できないのです。だから平らなものはどうしても重くなります。日本の食は、食べるときにお茶碗を手に持つ文化ですから、あまり重いと気になりますよね。最近の出来事ですが、病院に入院された方が、マグカップでお茶やコーヒー飲むにしても体力なくなると、それもさえも重く感じそうです。それで、うちのマグカップをあげたら、軽くて使いやすいと喜んでいただけました。器を作っている以上、そういう心配りもできるのが手作りの良さかなと思います。
お客様からフランス料理で使うような平らなものを作れないかと相談もあるのですが、薄くて平らなものは九谷の粘土では耐火度が低いので焼成の時にベタっとたれるのです。なのでそのギリギリのところを攻めるわけなんですけど、すごく平らにしようと思うと、ある程度厚く作っておかないとその形が維持できないのです。だから平らなものはどうしても重くなります。日本の食は、食べるときにお茶碗を手に持つ文化ですから、あまり重いと気になりますよね。最近の出来事ですが、病院に入院された方が、マグカップでお茶やコーヒー飲むにしても体力なくなると、それもさえも重く感じそうです。それで、うちのマグカップをあげたら、軽くて使いやすいと喜んでいただけました。器を作っている以上、そういう心配りもできるのが手作りの良さかなと思います。
型打ち用の型を作るのには時間がかかります。「こんな形」っていうのを決めてから作ると、全部手彫りですから3カ月はかかります。頭の中でイメージしてするものと出来上がるものって、少しずつ変わってきますから、型は年に一度か2年に一度、使わないものは処分するようにしています。
型打ち用の型を作るのには時間がかかります。「こんな形」っていうのを決めてから作ると、全部手彫りですから3カ月はかかります。頭の中でイメージしてするものと出来上がるものって、少しずつ変わってきますから、型は年に一度か2年に一度、使わないものは処分するようにしています。
手仕事ですから1日にできる数は限られています。いかに効率よくこなしていけるかが職人技。もともと僕は職人になることに憧れてこの世界に入ったので、クオリティを高め、いかに効率をあげていくかが日々のテーマですね。
手仕事ですから1日にできる数は限られています。いかに効率よくこなしていけるかが職人技。もともと僕は職人になることに憧れてこの世界に入ったので、クオリティを高め、いかに効率をあげていくかが日々のテーマですね。
プロフィール
石川県小松市出身。18歳で加賀市の妙泉陶房に就職。20年以上勤務した後独立し、奥様の実家の能美市で作陶を開始。自らの作品発表や作家さんへの素地提供に加え、絵付け作家とのコラボレーションや研修所でのろくろ技術の伝承など、精力的に活動中。
プロフィール
石川県小松市出身。18歳で加賀市の妙泉陶房に就職。20年以上勤務した後独立し、奥様の実家の能美市で作陶を開始。自らの作品発表や作家さんへの素地提供に加え、絵付け作家とのコラボレーションや研修所でのろくろ技術の伝承など、精力的に活動中。