初めてデザインして描く絵が一番大変です。
自分の頭の中ではすごくいいものになっているはずだったのに、焼き上がると色合いや構図のバランスが思っていた物と違いがっかりします。
なかなか初めから自分がもとめていた作品にはなりません。
初めてデザインして描く絵が一番大変です。
自分の頭の中ではすごくいいものになっているはずだったのに、焼き上がると色合いや構図のバランスが思っていた物と違いがっかりします。
なかなか初めから自分がもとめていた作品にはなりません。
高校3年まではずっと美術に興味もなくバスケットボールをしていました。(今より3~40kg軽かったです笑)写生大会があっても画面いっぱいに青空を一色でぬり、真ん中に電信柱1本、5分くらいでぱぱっと描いて、早く終わらせて遊んでいました。高校の部活が終わった時には、友達と一緒に地元の大学へでも行って、みんなと一緒に働くような気持ちでいました。そのくらい地元も好きでしたし友達と一緒にいるのが楽しかったです。
高校3年まではずっと美術に興味もなくバスケットボールをしていました。(今より3~40kg軽かったです笑)写生大会があっても画面いっぱいに青空を一色でぬり、真ん中に電信柱1本、5分くらいでぱぱっと描いて、早く終わらせて遊んでいました。高校の部活が終わった時には、友達と一緒に地元の大学へでも行って、みんなと一緒に働くような気持ちでいました。そのくらい地元も好きでしたし友達と一緒にいるのが楽しかったです。
高校の部活を引退した時に、母から「夢もやりたいこともないのであれば、家業のこともあるので、美術の方を一回考えてみなさい」と言われ、両親と繋がりのあった富山にあるアトリエでデッサンを習いに行くことになりました。そこでは同じ年頃の人が一言もしゃべらず真剣に絵を描いていました。 自分もなんとか5時間ほど頑張ったのですが、それが限界。家に帰り「もうやめる、絶対に無理や」と宣言したのですが、道具を揃えてもらったこともあり、母親からは1年は続けなさいと言われ、渋々通っていました。小松方面の電車に乗り、友達と遊ぶ事も。 それでも絵を描くのがきらいだなと思いながらも1年半毎日絵と向き合い一浪して金沢美術工芸大学に入りました。私の美術の世界はそこからです。
高校の部活を引退した時に、母から「夢もやりたいこともないのであれば、家業のこともあるので、美術の方を一回考えてみなさい」と言われ、両親と繋がりのあった富山にあるアトリエでデッサンを習いに行くことになりました。そこでは同じ年頃の人が一言もしゃべらず真剣に絵を描いていました。 自分もなんとか5時間ほど頑張ったのですが、それが限界。家に帰り「もうやめる、絶対に無理や」と宣言したのですが、道具を揃えてもらったこともあり、母親からは1年は続けなさいと言われ、渋々通っていました。小松方面の電車に乗り、友達と遊ぶ事も。 それでも絵を描くのがきらいだなと思いながらも1年半毎日絵と向き合い一浪して金沢美術工芸大学に入りました。私の美術の世界はそこからです。
Landscape(磁器 アクリル)
「美学の系譜」山岸家5人展より
Landscape(磁器 アクリル)
「美学の系譜」山岸家5人展より
九谷焼は大学を卒業してから始めました。どうしてもやりたかったのかというとどうなのかな。祖母は九谷庄三の弟子だった武腰家の血筋で、小さい頃から「大きくなったら九谷焼をするんでしょ」と近所の方からも言われていて「なぜ?」という思いがありました。この仕事を始めて今年で11年目ですが、今は自分に向いている仕事なのかな、と思い始めています。家族全員が朝から晩までずっと一緒。嬉しい事も悲しい事も。仲が良いのでやっていけてると思います。
九谷焼は大学を卒業してから始めました。どうしてもやりたかったのかというとどうなのかな。祖母は九谷庄三の弟子だった武腰家の血筋で、小さい頃から「大きくなったら九谷焼をするんでしょ」と近所の方からも言われていて「なぜ?」という思いがありました。この仕事を始めて今年で11年目ですが、今は自分に向いている仕事なのかな、と思い始めています。家族全員が朝から晩までずっと一緒。嬉しい事も悲しい事も。仲が良いのでやっていけてると思います。
ボタニカル(5枚組豆皿)
「美学の系譜」山岸家5人展より
ボタニカル(5枚組豆皿)
「美学の系譜」山岸家5人展より
方壺ホルス「美学の系譜」
山岸家5人展より
方壺ホルス「美学の系譜」
山岸家5人展より
大学時代は工芸科で、陶磁コースを専攻していましたが、九谷の上絵などはした事がなく、父から学びながら仕事をしていました。師弟関係といっても師匠が父なので、仕事をして小遣いをもらう程度でした。朝寝坊するとそのわずかな小遣いから引かれる(笑)ような状況です。忙しい時は毎日夜中の1時くらいで土曜日はもちろん仕事ですし、日曜日も家が忙しければ手伝わないといけない、家族経営なので生活するためには仕方のない事なのですが休みも残業代もない生活は最初は本当に嫌でした。始めた頃はよく喧嘩をしていました。家を継いで教えてもらっているという思いもある中、「家がこんな仕事しとるからや」と恨んでもいました。今でも、たまに喧嘩をすると、「自分からやったんやろ」と言われ、「そっちがやれっていうたやろ」と言い合いになります笑。
大学時代は工芸科で、陶磁コースを専攻していましたが、九谷の上絵などはした事がなく、父から学びながら仕事をしていました。師弟関係といっても師匠が父なので、仕事をして小遣いをもらう程度でした。朝寝坊するとそのわずかな小遣いから引かれる(笑)ような状況です。忙しい時は毎日夜中の1時くらいで土曜日はもちろん仕事ですし、日曜日も家が忙しければ手伝わないといけない、家族経営なので生活するためには仕方のない事なのですが休みも残業代もない生活は最初は本当に嫌でした。始めた頃はよく喧嘩をしていました。家を継いで教えてもらっているという思いもある中、「家がこんな仕事しとるからや」と恨んでもいました。今でも、たまに喧嘩をすると、「自分からやったんやろ」と言われ、「そっちがやれっていうたやろ」と言い合いになります笑。
陶額 ふくろう【すみか】
「美学の系譜」山岸家5人展より
陶額 ふくろう【すみか】
「美学の系譜」山岸家5人展より
もちろん楽しい部分もたくさんあって、作った商品を喜んで買ってもらえた時、お店からまた注文が来たり、お店にお伺いした際に「あなたの作品が好きで全部揃えてくれている人もいますよ」と教えてもらったりすると、とても嬉しいです。いやな点は、地元の友達に誘われても、締め切りがあるので今日だけはどうしても行けないとか、土日が休みという訳ではないのでプライベート部分でそういう時が一番辛いです。とはいえ、両親が美術に理解があって、またそれで生計を立てているので、フォローもしてもらえています。若手の方で九谷焼をされている方はたくさんいますが、作品が売れてもそれだけでなかなか食べていけない、大変難しい世界なので自分はかなり恵まれていることも認識しています。
もちろん楽しい部分もたくさんあって、作った商品を喜んで買ってもらえた時、お店からまた注文が来たり、お店にお伺いした際に「あなたの作品が好きで全部揃えてくれている人もいますよ」と教えてもらったりすると、とても嬉しいです。いやな点は、地元の友達に誘われても、締め切りがあるので今日だけはどうしても行けないとか、土日が休みという訳ではないのでプライベート部分でそういう時が一番辛いです。とはいえ、両親が美術に理解があって、またそれで生計を立てているので、フォローもしてもらえています。若手の方で九谷焼をされている方はたくさんいますが、作品が売れてもそれだけでなかなか食べていけない、大変難しい世界なので自分はかなり恵まれていることも認識しています。
方壺 南天【福をなす】
「美学の系譜」山岸家5人展より
方壺 南天【福をなす】
「美学の系譜」山岸家5人展より
九谷焼は、全面に描くものが多いので、最初の頃は背景を黄色で埋めたり、色々なことをやってみたこともありますが、それをお店に出したいかっていうと、自分の描きたいものではないなと思い、出したくないと思っていました。僕はずっと祖父や父が作ってきたものが九谷焼だと思って育ってきたので、白の余白を残した日本画風というか、絵のような感覚で素地に描く作品が好きなんだなと思います。もちろん自分が見てきたものが全てではないですが、我が家の九谷焼に囲まれて育ってきていますから。
九谷焼は、全面に描くものが多いので、最初の頃は背景を黄色で埋めたり、色々なことをやってみたこともありますが、それをお店に出したいかっていうと、自分の描きたいものではないなと思い、出したくないと思っていました。僕はずっと祖父や父が作ってきたものが九谷焼だと思って育ってきたので、白の余白を残した日本画風というか、絵のような感覚で素地に描く作品が好きなんだなと思います。もちろん自分が見てきたものが全てではないですが、我が家の九谷焼に囲まれて育ってきていますから。
ぐい呑み【ぺんぎん】
「美学の系譜」山岸家5人展より
ぐい呑み【ぺんぎん】
「美学の系譜」山岸家5人展より
私は草花や動物を描くのが好きなのですが、動物を描く時は、ちょっと会話をしているようなイメージを感じ取ってもらえるような構成にしています。自分が元々かわいらしいものが好きなので、古くからある九谷焼のイメージをそのまま描くのは無理だと思ったことから最初にペンギンを描きました。それが好評で、もう10年くらい描き続けています。そろそろかわいい物より美しいと感じてもらえる作品を作っていきたいと思うのですが、6~7割が家の仕事の手伝いをやっているのでなかなか進まないのが現状です。
私は草花や動物を描くのが好きなのですが、動物を描く時は、ちょっと会話をしているようなイメージを感じ取ってもらえるような構成にしています。自分が元々かわいらしいものが好きなので、古くからある九谷焼のイメージをそのまま描くのは無理だと思ったことから最初にペンギンを描きました。それが好評で、もう10年くらい描き続けています。そろそろかわいい物より美しいと感じてもらえる作品を作っていきたいと思うのですが、6~7割が家の仕事の手伝いをやっているのでなかなか進まないのが現状です。
ぐい呑み【きつね】
「美学の系譜」山岸家5人展より
ぐい呑み【きつね】
「美学の系譜」山岸家5人展より
最初の頃、動物園にスケッチに行ったりもしていたのですが、動物は動くのでうまいこと描けない笑。美術大学は出たので、さすがに自分の絵の変なところはわかります。リアルに描く作風ではないので、イメージで描いています。九谷焼の場合、線を強く描くのが一般的なのですが、私の場合は呉須も薄くしたものを用い細い線で描く、色味もやわらかいので、かわいらしい感じが出せているのだと思います。でも父と同じ絵の具を使っているので、うっかり濃いまま使ってしまい、失敗してしまうこともあります。父と机を並べて仕事をしているため、自分の作品を作っている時に隣から「こっちの色の方がいいんじゃない」と勧められ素直に従い、焼き上がりが父の作品に似てしまったこともあります。色や金のバランスも似てしまいます。父からしか教わってないので仕方ない部分です。
最初の頃、動物園にスケッチに行ったりもしていたのですが、動物は動くのでうまいこと描けない笑。美術大学は出たので、さすがに自分の絵の変なところはわかります。リアルに描く作風ではないので、イメージで描いています。九谷焼の場合、線を強く描くのが一般的なのですが、私の場合は呉須も薄くしたものを用い細い線で描く、色味もやわらかいので、かわいらしい感じが出せているのだと思います。でも父と同じ絵の具を使っているので、うっかり濃いまま使ってしまい、失敗してしまうこともあります。父と机を並べて仕事をしているため、自分の作品を作っている時に隣から「こっちの色の方がいいんじゃない」と勧められ素直に従い、焼き上がりが父の作品に似てしまったこともあります。色や金のバランスも似てしまいます。父からしか教わってないので仕方ない部分です。
俯瞰(磁器 アクリル)
「美学の系譜」山岸家5人展より
俯瞰(磁器 アクリル)
「美学の系譜」山岸家5人展より
Aile(磁器 アクリル)
「美学の系譜」山岸家5人展より
Aile(磁器 アクリル)
「美学の系譜」山岸家5人展より
九谷の白はちょっとくすんでいるところが、品のあるきれいな白だと思います。カッターで削って1000番くらいのサンドペーパーをかけると、本当にもう綺麗で、絵を描くのが器を汚してしまう気がして描けないと思うことがあります。本当に真っ白な他の産地の白の焼物を見た時は、味気なく感じるというか、小さい時からずっと見てきたこともあるかもしれませんが、九谷の白が好きです。
九谷の白はちょっとくすんでいるところが、品のあるきれいな白だと思います。カッターで削って1000番くらいのサンドペーパーをかけると、本当にもう綺麗で、絵を描くのが器を汚してしまう気がして描けないと思うことがあります。本当に真っ白な他の産地の白の焼物を見た時は、味気なく感じるというか、小さい時からずっと見てきたこともあるかもしれませんが、九谷の白が好きです。
真面目な父なので、好きですがちょっと嫌です。小さな頃から、正月もお盆も関係なく仕事をしているので遊んでいる所を見た事がありません。朝から夜中まで仕事ばかりです。たまに休んだら?と聞くと九谷焼が趣味だから、一生かないません。でもそういう家に育ったわけなので仕事は真面目にやっていけそうです。
真面目な父なので、好きですがちょっと嫌です。小さな頃から、正月もお盆も関係なく仕事をしているので遊んでいる所を見た事がありません。朝から夜中まで仕事ばかりです。たまに休んだら?と聞くと九谷焼が趣味だから、一生かないません。でもそういう家に育ったわけなので仕事は真面目にやっていけそうです。
プロフィール
1986年生まれ
2011年 
金沢美術工芸大学工芸科 卒業
2013年 
第52回 日本現代工芸美術展 現代工芸新人賞
日展入選(以後22年まで連続 10回)
2016年 
第55回日本現代工芸美術展現代工芸賞
石川県現代美術展最高賞
2017年 
現代美術展 北國賞
2018年 
現代美術展 最高賞
現代工芸美術家協会本会員
2020年 
公益社団法人 日展会友
2022年 
現代美術展 審査員
プロフィール
1986年生まれ
2011年 
金沢美術工芸大学工芸科 卒業
2013年 
第52回 日本現代工芸美術展 現代工芸新人賞
日展入選(以後22年まで連続 10回)
2016年 
第55回日本現代工芸美術展現代工芸賞
石川県現代美術展最高賞
2017年 
現代美術展 北國賞
2018年 
現代美術展 最高賞
現代工芸美術家協会本会員
2020年 
公益社団法人 日展会友
2022年 
現代美術展 審査員