市内在住の新進作家

自分でも最後までうまくいくかどうかわからない
楽しさがあって、今までに感じたことのない
ワクワクを感じました。

2022年に石川県立九谷焼技術研修所の研究科を卒業したばかりの森亜光（あみ）さん。動物が好きな森さんは、在学中にライチョウの立体など、いしかわ動物園とのコラボ企画にも参加、卒業制作はパーマネントコレクション賞を受賞しました。現在は人間国宝・吉田美統さんの錦山窯に就職し、技術に磨をかけ、絵の具についても研究中という、未来の九谷焼の担い手です。

作品「ライチョウ」

小さい頃から絵を描くことが好きでした。漠然と将来は「描く」仕事に就きたいなと思っていたので、高校を卒業した後、美術学科のある金城大学短期大学部に入学しました。当初は、グラフィックデザインに興味があり、専攻を考えていましたが、すべてのコースを回る期間で陶芸コースを知り、自らの手で描いた絵を立体物にするという体験で今までにないワクワクを感じました。

デザインがイラストのように自分の想像通りに描けるものとは違い、陶芸は成形から絵付けにいたるまでなかなか思い通りにいきません。そんな最後までうまくいくか分からないという楽しさに惹かれ陶芸コースを選びました。

短大で過ごした時間はとても充実したものでしたが、「さらに陶芸について専門的なところまで深く学びたい」と考えるようになり、石川県立九谷焼技術研修所に入りました。研修所では、講師の方々から多くのことを学ぶことができ、九谷焼の奥の深さを知りました。そして、私の中の漠然としていた思いが「作家として活動できるようになりたい」とはっきりしました。

作品「POINT」

制作していく中で「こんな色がでたらいいな」と考えながら窯に入れても焼きあがったものが想像通りだったことは多くありません。でも、自分が予想していた以上に良いものが出来上がった時は、改めて焼き物の面白さを実感します。

作品「POINT」

作品「ZZZ」

現在は、吉田先生（錦山窯）のもとで学ばせていただいています。私が描きたい動物たちを自由に表現できるように和絵の具だけではなく、洋絵の具や金彩の技術を生かした作品の世界観を広げていきたいと思っています。今後は、グループ展のみならず個展などを開催する夢の為にも自分の作品作りに励んでいます。

プロフィール
石川県能美市出身
2019年　
金城短期大学部美術学科陶芸コース卒業
2021年　
石川県立九谷焼技術研修所本科卒業
2022年　
石川県立九谷焼技術研修所研究科卒業
パーマネントコレクション賞　受賞