九谷の里の四季
九谷の里の四季
〈春〉
桜は多くの日本人が特別な想いを抱く花であり、この時期は列島中がソワソワしている様に感じる。私も例に漏れず、写生の機会を逃さぬよう開花予報に気を付けて過ごしている。 しかし、いざ開花が宣言されると生来の怠けグセが頭をもたげ「今日は疲れたから」とか「少し寒いし、風も強いから、、、」などと理由を作って先延ばしにしてしまう。そうこうしている内に散り始め、慌てて写生に取り掛かるのは毎年の事である。
〈春〉
桜は多くの日本人が特別な想いを抱く花であり、この時期は列島中がソワソワしている様に感じる。私も例に漏れず、写生の機会を逃さぬよう開花予報に気を付けて過ごしている。 しかし、いざ開花が宣言されると生来の怠けグセが頭をもたげ「今日は疲れたから」とか「少し寒いし、風も強いから、、、」などと理由を作って先延ばしにしてしまう。そうこうしている内に散り始め、慌てて写生に取り掛かるのは毎年の事である。
桜(花器)「扁壷 染井吉野」
桜(花器)「扁壷 染井吉野」
 私は手取川沿いの山田町の桜が好きで毎年通っている。 堤防の桜は目の前まで枝が垂れとても観察がしやすい。このゴツゴツした枝の中にあの繊細な薄紅色の色素が存在していることをいつも不思議に感じる。 天候が良ければ満開の桜越しの白山を望むことが出来、眼福とはこういう事なのだと思う。
 私は手取川沿いの山田町の桜が好きで毎年通っている。 堤防の桜は目の前まで枝が垂れとても観察がしやすい。このゴツゴツした枝の中にあの繊細な薄紅色の色素が存在していることをいつも不思議に感じる。 天候が良ければ満開の桜越しの白山を望むことが出来、眼福とはこういう事なのだと思う。
〈夏〉  
夏の夜、音楽もラジオも流さず作業していると、夜の間じゅう生き物が鳴いていることに気が付く。 日が傾き始めの頃は蜩が、夜が更けるにつれ蛙の声が大きくなる。 鳴き方にも法則が有るようで、1匹がおずおずと鳴き始めると他の個体もつられたように鳴き始め、急にピタリと止まる。そして最初の1匹に戻るといった具合である。 夜中に作業していると今、世界で起きているのは自分だけのような錯覚にも陥るが、自分以外の生き物の気配を感じるのは夏の夜の良いところである。
〈夏〉  
夏の夜、音楽もラジオも流さず作業していると、夜の間じゅう生き物が鳴いていることに気が付く。 日が傾き始めの頃は蜩が、夜が更けるにつれ蛙の声が大きくなる。 鳴き方にも法則が有るようで、1匹がおずおずと鳴き始めると他の個体もつられたように鳴き始め、急にピタリと止まる。そして最初の1匹に戻るといった具合である。 夜中に作業していると今、世界で起きているのは自分だけのような錯覚にも陥るが、自分以外の生き物の気配を感じるのは夏の夜の良いところである。
蓮(筺)「筥 白蓮」
蓮(筺)「筥 白蓮」
〈秋〉  
昨今は暦上は秋といってもいつまでも暑いが、ある日窓を開けた瞬間、ひんやりした空気に触れ「嗚呼、今日から秋だ。」と思う。 遅い秋の到来に翻弄されているのは植物も同じらしく、早まわしで冬への支度を調えている様に見える。青々していた山帰来の実は真っ赤に、紅葉も山から里へ駆け足で下って来た。 白山もうっすら雪化粧し、冬はもう目の前である。
〈秋〉  
昨今は暦上は秋といってもいつまでも暑いが、ある日窓を開けた瞬間、ひんやりした空気に触れ「嗚呼、今日から秋だ。」と思う。 遅い秋の到来に翻弄されているのは植物も同じらしく、早まわしで冬への支度を調えている様に見える。青々していた山帰来の実は真っ赤に、紅葉も山から里へ駆け足で下って来た。 白山もうっすら雪化粧し、冬はもう目の前である。
紅葉(部分)「長皿 紅葉にアメマス」
紅葉(部分)「長皿 紅葉にアメマス」
茶碗 夕顔(白妙の 柴田有希佳 作陶展 ふくさとGalleryより)
茶碗 夕顔(白妙の 柴田有希佳 作陶展 ふくさとGalleryより)
〈冬〉
能美市から見える白山は、一番姿が良いと常々思っている。 毎日眺めているから贔屓も多分に有ると思うが、それを差し引いてもやはり美しいと思う。 特に求肥の和菓子のような弥陀ヶ原の柔らかな雰囲気が特に好きである。 冬至を過ぎると日も長くなり、珠に晴れた日の夕方、夕焼けに照らされた薄紅色の白山を拝することが出来る。眺めながらふと、九谷の先人たちも1日の業を成し終え、私と同じように白山を眺めていたのだろうと思った。 今日まで九谷を守り繋いで来てくれた先人たちに感謝すると共に今後も精進したい。
〈冬〉
能美市から見える白山は、一番姿が良いと常々思っている。 毎日眺めているから贔屓も多分に有ると思うが、それを差し引いてもやはり美しいと思う。 特に求肥の和菓子のような弥陀ヶ原の柔らかな雰囲気が特に好きである。 冬至を過ぎると日も長くなり、珠に晴れた日の夕方、夕焼けに照らされた薄紅色の白山を拝することが出来る。眺めながらふと、九谷の先人たちも1日の業を成し終え、私と同じように白山を眺めていたのだろうと思った。 今日まで九谷を守り繋いで来てくれた先人たちに感謝すると共に今後も精進したい。
「飾皿 野草図」
「飾皿 野草図」
「扁壺 笹」
「扁壺 笹」
プロフィール
2006年
金城大学短期大学部美術学科研究科 修了
2008年
石川県立九谷焼技術研修所 卒業
卒業制作展においてパーマネントコレクションに認定
(永久保存として県が買い上げ)
山田義明氏に師事
第3回能美市美術展 北國新聞社賞 受賞
第23回北國女流美術展 佳作
2009年
第4回能美市美術展 北園新聞社賞 受賞
第24回北國女流美術展 次賞 受賞
2010年
第66回石川県現代美術展 佳作
第25回北國女流美術展 最高賞 受賞 以後、委嘱出品となる
2011年
第34回伝統九谷焼工芸展新人賞受賞
第45回女流陶芸展 T氏賞 受賞
2013年
第36回伝統九谷焼工芸展 奨励賞 受賞
受賞作品「笹文長皿」 石川県立美術館 買い上げ
2014年
第37回伝統九谷焼工芸展 優秀賞 受賞
2015年
全国植樹祭
石川県立九谷焼技術研修所にて天皇・皇后両陛下の御天覧を賜る
第6回菊池ビエンナーレ 入選
2016年
第39回伝統九谷焼工芸展 優秀賞 受賞
第72回石川県現代美術展 佳作
2017年
第64回日本伝統工芸展 入選
2018年
第65回日本伝統工芸展 入選
2019年
第66回日本伝統工芸展 入選
第8回菊池ビエンナーレ 入選
石川県立九谷焼技術研修所にて文仁親王妃紀子殿下の御台覧を賜る
2021年
第44回伝統九谷焼工芸展奨励賞 受賞
第61回石川の伝統工芸展 新人賞 受賞
第9回菊池ビエンナーレ 入選

◎ 作品収蔵
石川県立美術館・石川県立九谷焼技術研修所・緑ヶ丘美術館(奈良県生駒市)
プロフィール
2006年
金城大学短期大学部美術学科研究科 修了
2008年
石川県立九谷焼技術研修所 卒業
卒業制作展においてパーマネントコレクションに認定
(永久保存として県が買い上げ)
山田義明氏に師事
第3回能美市美術展 北國新聞社賞 受賞
第23回北國女流美術展 佳作
2009年
第4回能美市美術展 北園新聞社賞 受賞
第24回北國女流美術展 次賞 受賞
2010年
第66回石川県現代美術展 佳作
第25回北國女流美術展 最高賞 受賞 以後、委嘱出品となる
2011年
第34回伝統九谷焼工芸展新人賞受賞
第45回女流陶芸展 T氏賞 受賞
2013年
第36回伝統九谷焼工芸展 奨励賞 受賞
受賞作品「笹文長皿」 石川県立美術館 買い上げ
2014年
第37回伝統九谷焼工芸展 優秀賞 受賞
2015年
全国植樹祭
石川県立九谷焼技術研修所にて天皇・皇后両陛下の御天覧を賜る
第6回菊池ビエンナーレ 入選
2016年
第39回伝統九谷焼工芸展 優秀賞 受賞
第72回石川県現代美術展 佳作
2017年
第64回日本伝統工芸展 入選
2018年
第65回日本伝統工芸展 入選
2019年
第66回日本伝統工芸展 入選
第8回菊池ビエンナーレ 入選
石川県立九谷焼技術研修所にて文仁親王妃紀子殿下の御台覧を賜る
2021年
第44回伝統九谷焼工芸展奨励賞 受賞
第61回石川の伝統工芸展 新人賞 受賞
第9回菊池ビエンナーレ 入選

◎ 作品収蔵
石川県立美術館・石川県立九谷焼技術研修所・緑ヶ丘美術館(奈良県生駒市)
撮影協力

ふくさとGallery
 
石川県能美市福島町タ1
tel 0761-55-2550
ホームページ  https://www.fukusatogallery.com/
Facebook https://www.facebook.com/fukusatoGallery/?locale=ja_JP
撮影協力
ふくさとGallery
石川県能美市福島町タ1
tel 0761-55-2550
ホームページ 
https://www.fukusatogallery.com/
Facebook https://www.facebook.com/fukusatoGallery/?locale=ja_JP